おばあちゃんとの別れから気づいた、大切な「終活」の話

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この記事は、2025年2月配信の音声コンテンツ「おてらの孫がゆく! 〜ゆるっと終活ラジオ〜」の内容をもとに作成したものです。
こんにちは。終活パートナーのなべちゃんです。
このブログでは、ちょっと堅苦しいイメージのある「終活」を、もっと身近に・もっと気軽に考えられるようなエピソードをお届けしていきます。
今回は、私が終活に興味を持ったきっかけについてお話しさせてください。
1|突然のお別れ
終活のことを考え始めたのは、3年前の11月。コロナ禍の、空気もひんやりしていたある日のことでした。
いつもどおり外で仕事をしていた私のもとに、突然父から電話がかかってきました。教員の父が平日に電話をしてくることは滅多にありません。「何かあったのかな?」と不安になりながら出てみると、電話の向こうから聞こえてきたのは救急隊員の声。そして「はい、私の母です」と、人と話している父の声でした。
「おばあちゃんに何かあったんだ。」
そう直感して、すぐに実家へ向かいましたが、悲しいことにおばあちゃんはすでに亡くなっていました。
原因は入浴時のヒートショック。前日の夜から亡くなっていたそうで、すぐに気づいてあげられなかったことが本当に悔しくて、悲しくて。辛いできごとでした。
2|一枚の風呂敷から見つけた、おばあちゃんの想い
悲しい気持ちに浸る隙もなく、葬儀や相続などの手続きがはじまります。父も私も、慣れないことの連続で、気が張りっぱなしでした。
不幸は重なるもので、同じ時に母がコロナに感染。一人っ子だった父の唯一の相談相手だった母も、思うように身動きが取れず....残された家族はそれぞれの思いで味わったことのない時間を過ごします。
葬儀の準備も思うように進まず、どうしていいか分からなくなっていたそのとき、ふと思ったんです。
「いつもきちっとしていたおばあちゃんが、何も準備していないなんてこと、あるかな?」
もしかして…と仏壇のそばを探してみると、風呂敷に包まれた書類やメモの一式を発見。中には遺影用の写真、遺言書、そしてたくさんのメモや契約書類がきちんとまとめられていました。
「お父さん、ちょっと来て!」
思わず父を呼び、一緒に中身を確認すると、父の名前が書き込まれた遺言書と、家族に向けたあたたかい手紙が。
他にも、口座情報、葬儀場の手配先、連絡してほしい人のリストなど、おばあちゃんしか知り得ないたくさんの情報を、それはきれいに整理と準備をしてくれていたんです。
それを見つけた私と父は、「おばあちゃん、ありがとう」と胸がいっぱいになったのを今でもよく覚えています。
3|終活は「残される人への思いやり」
おばあちゃんは、遺影を撮影して、葬儀場も自ら予約。葬儀に使うお花代も積み立ててくれていました。
遺影に映るおばあちゃんはとてもきれいで。どんな服を着て、どんな表情で写真に写るかまで、自分でちゃんと決めていたんだなと思うと、愛おしい気持ちになりました。
これまでの私は、「終活=自分のための準備」だと思っていたんです。しかし、実際に体験してみて感じたことは「残される人への思いやり」でもあるということ。
突然のことで気が動転していた父も、おばあちゃんの遺言書を読んでからは、少し肩の力が抜けいつもの調子を取り戻したように見えました。
どんな形で見送ってあげればおばあちゃんは嬉しいのか?と迷うこともなく、本人の希望通りに最期を見送ってあげられる。それってお互いにとってとてもありがたいことなのではないでしょうか。
4|私が終活を学び、伝えたいと思った理由
この出来事をきっかけに「終活って大事だな」と心の底から思うようになり、終活アドバイザーとしての勉強をはじめることになります。
ただ、実際に学び始めると意外と複雑で大変なことも多くて…。具体的にぶつかったことなどは、また次回お話ししたいと思います。
終活は、いつか来る「その日」のために、自分自身と大切な人のためにできる準備・優しさの証だと思っています。だからこそ、もっと多くの人に知ってもらいたい。そんな気持ちで私はこの発信を続けています。
ここまで読んでくださってありがとうございます。
もし少しでも心に残るところがあったら、ぜひフォローやコメントいただけたら嬉しいです。
次回は、「終活をしていなかったおじいちゃんおばあちゃん」の話をする予定ですので、ぜひまた読みにきてくださいね。
では、今日も素敵な一日をお過ごしください。
終活パートナーのなべちゃんでした。
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